いけばなソフトがあればいいのに 


いけばな界は従来どおりのマンツーマン、あるいはバーチャルで教室を持つこと、またいけばなを現地にいけに行くことが,

ビジネススタイルであり,そこには長年の経験と,修行を積んだ技術を持って,

自分の行動範囲内における商品(いけばな)を作り出している。


 

また、いけばなは古来より自然を表現するのものであり、その中に思想を入れて発展してきた。

従って、四季を持つ日本の自然を忠実に表現することが課題である。

自然に育まれた花材をリアルタイムで得ることが出来ればいけばなはほぼ完成する。

そのためにいけばな人は意にかなった花材求めて、探し歩き、

必要とすれば長年の経験で培った技術を持って加工し作り出す。そこに修練を必要とする。

しかも生き物であるが為に、リアルタイムの必要があり、リアルタイムの場所を要求されるのである。

それには植物を普段から観察し、また育て、さらに大自然の英知を真似て加工する技術が必要になる。

この大自然の出生を持って、人々を感動させようとしている。


すなわち、日本の伝統いけばなには,わび,さび,静寂,影,光,半陰半陽、天,地,人、等の思想的背景が求められ,

さらに時間的経過による素材の変化、例えば,春には花が咲,やがて実に変わる。

この何千年と繰り返されてきた自然の風情をすべて読みこみ、必要なときに引き出す。

つまり日本の四季の変化が織り成す花材の適切な供給を実現するソフト必要性を感じる。


またこのソフトにより、いけばながいけられるものがよい。PC上にて、花材を立てたり、寝かしたり、

切ったり矯めたり、後方に振らせたり、花を咲かせてみたり、自由自在に行えるようになる。

しかも一つの素材が、あらゆる変化に対応できるため、全世界に日本の伝統芸術である、

いけばな(思想を含む)を広く早く伝え、あらゆる人々に利便性を供給できる。

忠実にコンピューターグラフィックで表現出来るソフトの開発を待ち望むものである

次に少しシュミレーションをしてみよう


 

 

シュミレーションの内容

@半陰、半陽の部分、植物の葉の活き活きさ、しおれ方、凹凸の部分、花びらの上部、下部の色の違い、

花びらの厚みの違い、葉の虫食い部分などの表現

A植物の振りだし角度、挿しこみ角度、枝の向き、全体の遠近感、枝の交差、葉の交差等の表現。

B植物の季節による変化、枝の変化、花の変化、葉の変化などの表現。

C流木を使った深山渓谷の表現。


 準備

@S氏にソフトのプログラムを依頼。

技術指導を受けながら、植物の写真撮影→花の3Dモデル化(データ−ベース化)

→専用3Dソフトを使って配置、剪定、整枝、変化を

M氏の指導のもと、一つ一つ手作りで作成していく。

葉の凹凸の部分、花びらの上下による色の違い、葉のしおれ方、数多くの実験を繰り返し、

表現の精度を高めていく。



Aいけばなを数多くいけ、写真撮影しその全体の像をシュミレーションしていく。

3Dソフト上でのマウスによる3D操作には、現在のところ限界がある。

たとえばある花の前に別の花をさす場合、どのくらい手前なのか,

様々な条件や、その人の感性によって変わってくる。

3Dマニュピレーターや数値入力を用いての、機械的な正確さを本研究のソフトには求めておりませんが、

使いやすさを追求していくためには、マウスによる3D操作は,

この研究開発の過程において何かしらのヒントが得られるものと確信している。



B枯れ枝みたいなものに、花が咲、実を結ぶという

過程などの季節の変化は前もって3次元データ−として手で作ってソフトに取り入れる。



C流木を使った大作花も数多く作成し、また過去の多くの作品群から3Dスキャナーで読み込み、

3次元データ−としてソフトに取りこむ。

内容

基本的には、リアルタイム3次元CGソフトにおける、樹木や草花のリアルな表現技術、

及び素材の任意位置配置、変形(剪定、整枝)、経時経年変化(枝の変化、花の変化、葉の変化)等の表現であり、

3次元CGにおけるモデリング及びレンダリング技術である。

流れとしては、
植物の写真撮影→花の3Dモデル化(データ−ベース化)→専用3Dソフトを使って配置、剪定、整枝、

変化を一つ一つ手作りで作成していく。

葉の凹凸の部分、花びらの上下による色の違い、葉のしおれ方、数多くの実験を繰り返し、表現の精度を高めていく。

いけばな
という芸術的な観点から、フォトリアリズムではなく

アーティスティックリアリズムのある画像生成のためのレンダリングアルゴリズムを開発していく。

意図する変形や画像生成を実現するために最適な技法や技術も開発して行く。

3次元CGソフトウエア製品をベースに、生け花に特化した専用ソフトウェアを研究開発すると共に、

樹木や草花表現に適した3次元CG用素材制作上での技術を磨いていく。

また
OpenGLを用いたwindows用3次元CGソフトウェア上で、生け花用に調整した、フォトリアルスティック表現機能、

及びマウスを用いた3次元レイアウト技術を研究開発する。

現在の3次元CGでは、人工物の表現に比べ自然物や自然現象をフォトリアルスティックに表現する技術は未成熟であり、

特にリアルタイムCGではさらにその技術的難易度が高くなる。

そこで3次元CGにおける自然物表現、特に樹木や草花の表現技術やノウハウを研究する。

 

明日に向かって

 

全世界の花を愛する人々のニーズとはこのソフトである。いけばなの思想を含むソフトは今までになく、

市場
規模は全世界であり、全世界の国民である。

いけばなのグローバル化は、日本いけばな芸術協会、いけばなインターナショナルの活動がそれを示している。

彼らのニーズにこたえるためにもこのソフトの開発は急がれる。

数多くのライブラリーとバリエーションを備えた、本研究ソフトは独占的シェアを獲得できるものであると確信しております

 

またいけばな界は池坊、草月、小原の3大流派だけで100万人規模であり、

大小
2,000の流派に分かれており、その規模3000万人とも言われている。

フラワーアレンジを加えた彼らへの花材の適切な供給は、流派、組織あるいは流通、鮮度に関係なく、

莫大な市場規模があると考える。


 また学校教材として価値は高く、わが国のいけばなは世界に誇れる文化であり、

今後の文化芸術全体の活性化を促す牽引力として、

いけばな界への若い人々の参加と国際化は歓迎され、

しいては広くわが国の魅力を伝え国としての文化的価値を高めると考えられる。